今回の修理内容には含まれませんが、サイドロール加圧部に約5mmの損耗が見られたため、招請したベテランの指示によりトップロールの昇降ネジの損耗を確認する事にしました。
弊社の不安箇所なのでサービス実施。
まずは左右昇降ネジを解体します。
この部位が一番損耗しやすく、この機種で修理ご要望が一番多い個所になります。


左右昇降ネジを本体からASSYで分離解体。
下部ブラケットは溶接留めされているので、飛ばしてから解体。
部品単位に解体し洗浄清掃してから損耗を確認していきます。
この機体では加圧域で多少の摩耗は見られるものの直ちに交換が必要な損耗は見られません。
左右で巻が違う台形ネジが採用されており、台形ネジが摩滅すると、左右の同調が取れず製品精度が出なくなります。
損耗が進むと片側だけトップロールが落ちる現象が発生します。


左右とも良好を確認。
一度開放したのでネジやベアリングに適正にグリスを塗布し再度組み直します。
ネジ部のゴムブーツは25年ほど前からアマダ社の供給が止まり、その後は弊社協力工場で特注で作成いただき対応して来ましたが、この会社様も10年ほど前に廃業されて以降は交換不可部品となっています。
昇降ネジ交換を実施させていただいたユーザー様には、定期的な清掃とグリス塗布で対応する事をお勧めしています。
本体フレームを洗浄清掃後に、昇降ネジ取り付け加工面各所を整地。
溶接痕はサンダーで飛ばし、新たに開先を取って組付け準備します。


傘歯車などを取り付けて、水平・垂直などを適正に確認し位置決め。
位置決めが完了したら下部ベースを再度溶接固定します。
位置決めピン加工などない時代の機種なのですべて手作業です。
おかしいなと感じたら早めの修理を。
最近では様々な部品の入手に時間が掛かり、機械が停止して修理まで2~3月以上かかるケースも増加中です。
年々部品価格も上昇傾向にあり早めの修理をお勧めします。
弊社ではこのように生産終了機や整備終了機でも出来る限り修理対応に努めています。
㈱大阪プレスサービスでは、アマダ製板金機械の整備機販売、修理、オーバーホール、機械買取などを行っています。
まずはご相談ください。