2023年冬に、ユーザー様でクレーン環境下に無いPEGA-357でドライブのオーバーホールが可能か打診いただき、実機確認依頼を頂戴しユーザー様を訪問。
ドライブ部はF/W(フライホイール)などの重量部品が多いため、クレーンが必須となります。
機械上部に工場の梁があるもののF/Wやコンロッド、軸受、ラムなどの
解体に梁が使用出来る状況ではない様子。
機械上部もリア側スペースもそれほどなく、カニクレーンの使用も厳しい状況。
機械フレーム上部端から工場の梁までの寸法を測定。
測定の結果、弊社所有の簡易クレーンがギリギリ適応できる状況である事が判明し、実施可能と回答。
ご担当サービスマンとユーザー様でご相談の結果、実施決定。
部品手配を開始。
部品が揃ったとの連絡を頂戴し、ユーザー様生産工程と弊社工事対応可能日の調整から2024年8月に工事を実施。
まずは簡易クレーンを組み立ててF側、R側ドライブカバーから取り外し。
残念ながら簡易クレーンでラムを垂直のまま抜き出せない状況のためドライブカバーブラケットも取り外し、コンロッドとラムを切り離して別々に取り外し。少々手間が掛かり、パワーも必要です。
弊社専用機材を用いてF側、R側と別れて順に部品を解体していきます。
R側ドライブケーシングを取り外し。
旧タイプドライブの構造の機体です。
機械フレームドライブ部の洗浄清掃を実施し整地
今回交換する部品の組立準備
ドライブシャフト、軸受の梱包を解いて、洗浄清掃
アマダ社製新品部品には、アンチラストが塗布されているので、これらを綺麗に洗浄清掃して組立準備します。
もちろんキーやキー溝、ナットのメネジ、オネジも調整。
事前準備により組み込みがスムーズに行えます。
洗浄清掃、整地しグリス塗布したラムガイドにラムを設置。
コンロッド回り止めに少々不具合があっため、追加工してコンロッドを組み込み準備。
弊社社内作業では8m揚程のクレーン範囲内で作業するため、ラムとコンロッドは事前ASSY組みしてしまいます。
今回は機械上部スペースに余剰が無く、個別にフレーム内組込み。
いつ見ても新品部品は綺麗です。
ドライブシャフト、軸受の組付け準備
どの部品も新品なのでアンチラスト除去の洗浄清掃が必要ですが、綺麗で気持ちよく組めます。
旧タイプ構造のC/B(クラッチブレーキ)ASSYを新品F/W(フライホイール)を組み込むと油漏れを発生するため、C/B-ASSYを弊社工場に持ち帰り追加工を実施。
F/Wを交換せずに再利用する場合は追加工は不要です。
今回は全部品交換オーバーホールのため実施。
ストライカーユニットを戻し、パンチを組み込み。
R側はF/W組込準備
専用治具を用いてF/W組込み
最近届くF/Wはなぜか赤塗装です。
事前キー調整したC/B-ASSYを組み込み
C/B-ASSYが正しく鼠入出来るとケーシングを取付け
フラットモーター、プーリー、Vベルトを交換
簡易クレーンを片付けて、試運転を実施すると強烈なチャタリングとパンチ不能状態であることが判明。
弊社補材のソレノイドブルブとアキュームレーターで部品交換。
各部グリスを給油しながら連続運転後に、各部熱持ち確認。良好。
組付け不良があるとその部位には異常な熱が発生します。
アキューム圧確認も良好。
ユーザー社長様からいつもこんな工事を実施しているのか?とご質問いただき正規御依頼があれば対応して旨、回答。
他に現地でどこまで交換可能かをご質問いただいたので、X/Yスライドや2AI、T軸などはオーバーホール可能と回答。
上下タレット関係については、弊社工場への引上げが必要であることを機械構造と共にご説明し工事完了。
御依頼ありがとうございました。
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