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ベンダー:RG 下限装置 修理

 

いつもパンチングのタレット研磨やVカットのテーブル研磨でお世話になっている加工会社様から、知人の会社で使用している中古のベンダー(RG-80)で下部テーブルが止まらなくなったとの事で修理依頼を頂戴しました。

 

シリアルプレートも無い中古機械のため、メーカーのメンテンナスを受ける事が出来ずお困りとの事。

 

あいにくすぐには対応できないため、電話でハンドルの位置調整やスプリングの折損を確認する方法をお伝えして各部ご確認いただきましたが、下限装置自体の経年劣化が怪しいので、下限装置周辺部品を一式持参して後日訪問。

 

一通り不具合を確認し、解体して部品交換する事に。

 


 

一部機種では下限装置だけを何とか交換可能ですが、残念ながらRG-80は支え板を解体しないと下限装置を交換する事が出来ません。

 

支え板を解体する際にメインシリンダーやポストの張りゴマも経年劣化もしくは片荷重がかかるような使用で緩んでいました。

張りゴマが緩むと上下テーブル間の平行度が狂い曲げ精度が低下する原因となります。

年式的にOH(オーバーホール)や限定修理を実施していない機体では

緩みだしている機体も多く存在します。

 

左右ガイドローラーや前後ガイドローラーは良好の様子。

 

画像は下限装置一式を取り外した状態。

 


 

 

 

取り外した下限装置

 

ブロックに操作管締付けによる穴が穿たれますがこの機体は摩耗度も良好でした。

 

摩擦板はさすがにゴミや油分(グリス等)を吸って変色はあるもののまだ下部テーブルのロックは効く程度の経年劣化です。


 

 

 

 

 

 

下限装置とスプリングを新品に交換

 

 

 


 

 

 

 

弊社はアマダ社の正規オーバーオール工場なので専用治具を作成して保有していますので、治具を用いて支え板を取付。

 

支え板についている下限装置ブロック内部の消耗品も経年劣化のため交換して取付。

 

下部テーブルの左右ガイドローラーのテンションを解いて、再度再度調整を実施していきます。

 

解体時に緩んでいた張りゴマも考慮し精度調整。

 

 


 

事前確認いただいた内容から不具合個所を想定して伺いましたが、やはり想定通り、下限装置ブロックに干渉する個所の変形と下限装置ASSYのケーシングに経年劣化による溝が発生していました。

15年ほど前からこの部位の変形と溝発生で下限装置の効きが悪い機体が増加しています。

 

2019年のオーバーホールプログラム終了以前はこれらも単体部品で購入でき、弊社で都度不具合個所のみ部品交換をすることも出来たのですが、近年は下限装置ASSYでの在庫ストックに移行されているため、ASSY交換となります。

 

スプリングは折損していませんでしたが、伸びと変形が見られるため同時交換。

 


 

 

RGは頑強な構造で数度のオーバーホールに耐えうる機種です。

 

片荷重には弱く、ワークセンターを機械センターに合わす必要があり近年の機種のようにステップベンドのような使用が出来ませんが非常に優秀な機種だと思います。

RGにAUTO-B/Gが付いていれば十分というユーザー様も多く、大事にお使いの機体が多い機種です。

 

弊社ではまだオーバーホールや限定修理、中間板変更など、幅広く、アマダ社オーバーホールプログラム同等の整備を継続しています。

 

今後も大事にご使用ください。


おかしいなと感じたら早めの修理を。

最近では様々な部品の入手に時間が掛かり、機械が停止して修理まで2~3月以上かかるケースも増加中です。

年々部品価格も上昇傾向にあり早めの修理をお勧めします。

 

㈱大阪プレスサービスでは、アマダ製板金機械の整備機販売、修理、オーバーホール、機械買取などを行っています。

まずはご相談ください。