· 

パンチング:PEGA-344 FANUC 6M

 

 

機械商社様よりPEGA-344でY軸の異音がして機械が使用出来ないユーザー様機体があるので、修理して欲しいとご要望を頂戴しました。

 

Y-BS(ボールネジ)と両端のベアリングが不良のようなので、この部分の修理見積を算出して欲しいとの事。御見積提出後にY-BSはスムーズに回転し、ガタもそれほど大きくないため両端ベアリング他消耗品交換をご依頼頂戴しました。

 

弊社としては数百台のパンチングスライド工事実績があり、経験上、両端ベアリングの不良ではなく、Y軸モーターやサーボアンプの不具合の可能性もありますとお伝えし、まずは両端ベアリング他を持参して工事開始。

 


 

実機を確認させていただくとすでにサーボアラームで3週間ほど機械停止しているとの事。

 

Y-BSを確認したところスムーズに回転し、ガタもそれほどない模様。

Y-BSやY軸両端ベアリングには経年劣化のみでサーボアラームを発生するほどの不良は無さそうと判断。手で100mm程度前後させると明らかに重くなる箇所を発見。

 

FANUC社6M制御でY軸は7Lモーターだったのでカーボンスケールを清掃。少し前にユーザー様でも実施されたとの事でスケールはほぼ無くモーターカバー内のビスも緩みなし。

 

おそらくモーター経年劣化による、モーター自体の回転不良だと思われることをお伝えし、モーターを取り外し。


 

 

 

ユーザー様にはクレーンが無く、機械も壁2辺に近い配置で機械上部には中2階もあるため、簡易クレーンを持込み作業を実施。

 

外したモーターを手で正転、逆転確認すると明らかにゴリゴリと重くなる箇所を確認。

 

機械商社様、ユーザー様にもご確認いただき、交換ご希望の可否を確認。

7Lモーターは15年以上前から新品入手は出来ず、修理品対応になっているためFANUC社に在庫が無い限り修理が出来ない旨をお伝えしご検討いただくことに。

 


 

念のためにY-BSにはハンドルを取り付けて、Y軸全寸で動作確認。

 

経年劣化は否めないものの交換が必要なほどではなく、良好のため、Y-BSおよびベアリング他は交換必要なしと判断する旨をお伝えし、実際にハンドルを回してご確認いただきました。

 

アマダ社の製品に詳しい方はお気づきかもしれませんが、ベンダーRGなどのAUTO-B/Gのストレッチ(定規)高さ調整ハンドルを流用し、BSの重さ確認やLMガイドの通り調整作業などに使用しています。

 

AUTO-B/G載せ替えなどの作業案件も減り、ハンドルが貴重になってきました。

 

 


 

 

 

 

FANUC社に機種、型式、制御装置、モーター型式などを伝えて7Lモーターの在庫を確認したところ、在庫有りでした。

 

在庫のあるタイミングで良かったです。

過去に何度か問い合わせ時に在庫無しの時期も多々ありました。

 

ユーザー様から交換ご希望を頂戴したので手配開始。

重量物のため、翌日配達は無理との事でしたが、翌々日には入荷。

 

 


 

 

 

修理品(再生品)モーター到着したため、修理を再開。

 

軸芯のフレも無く、冷却ファンも新品に交換、外観も綺麗に再生されており、さすがはFANUC社製品だと思います。

 

修理品で部品発送いただいているので、ユーザー様不具合モーターを回収させていただき弊社からFANUC社へ返納手続きを実施します。

 

アマダ社ご依頼修理案件では、アマダ社が手配されるためアマダ社経由で手配・返納ですが、今回は弊社案件のため直接返納します。

 


 

 

 

 

 

 

メイバンも新しいものが貼り付けられています。

 

製造年が2015年なのか、再生時期が2015年なのかは弊社では不明です。


 

 

まずはモーターブラケットを付け替えます。

 

洗浄清掃し整地し組み換え。

 

切れも無く再利用可能ですが、オイルシールも手配しておけばよかったです。

 

モーターブラケットパッキンは弊社補材を持参しましたが、パッキン・シールともに良好なため、交換不要と判断。


 

 

 

 

モーターブラケット、ベースを組み替えたら、駆動ギヤも組み換え。

 

修理品(再生品)モーター軸芯も良好なため、ギヤ振れは組立精度基準値内の0.01未満に調整できました。

 

ギヤに段摩耗や偏摩耗も無く良好なため、ギヤも再利用を判断。

 

モーターを組付けてY軸オイルを新品交換。

再利用出来なくはない状態ですが、すでに変色が見られたため交換

 


 

モーターを組付けてのバックラッシュ調整も良好。

Y軸全寸での動作確認も良好。

 

原点打ち抜きを実施。やはり一度モーターを外してハンドルでもY-BSを回転させているため、2.3mmほどズレあり。

 

原点打ち抜きテスト基準値内の0.01で調整完了。

 

X軸寸法も確認の御依頼を頂戴したため確認。0.20ズレ

製品精度のズレと全く同じとの事で、そのままでOKとの事。

 

連続運転にて各部熱持ちや異常音の有無を確認。

各部良好なため、作業完了。


 

 

 

簡易クレーン、工具を片付けて工事完了です。

 

40年以上ご使用の機体ですが、綺麗に丁寧にご使用されているのが分かる良い機体でした。

 

御依頼いただきありがとうございました。

 


おかしいなと感じたら早めの修理を。

最近では様々な部品の入手に時間が掛かり、機械が停止して修理まで2~3月以上かかるケースも増加中です。

年々部品価格も上昇傾向にあり早めの修理をお勧めします。

 

㈱大阪プレスサービスでは、アマダ製板金機械の整備機販売、修理、オーバーホール、機械買取などを行っています。

まずはご相談ください。