2023年にEM-ZRTタレット交換の打診を頂戴し、ついにEM-ZRTでも
タレットベアリング交換が開始となる年数となりました。
まずは上部が不良との事でアマダサービスの方に同行しユーザー様で実機状況確認。下部も重軽現象が発生し始めており、上下交換をお勧めも弊社工場内では整備実績のない機種のため、機械構造および整備技術習得の必要ありと返答。
2023年部品手配開始前に、アマダ富士宮工場で実地研修させていただくことに。EMのタレット交換開始時以来の研修をさせていただきました。研修後に部品手配を開始され2024年6月度にユーザー様にて工事開始。
もちろん初工事案件なので、アマダIOTサポートパンチングご担当者様やエリア担当サービスの方立ち合いのもと、工事開始。
EMと同じく、工事個所のカバーやF側固定テーブル、F側移動テーブル
センターテーブル、その他工事関係個所を一時撤去。
事前に研修を受け機械資料によりシミュレートしてきていますが、いざ実機を前にすると緊張と試行錯誤の連続です。
今まで多くの整備を実施してきたCOMA、PEGA、VIPROS、ARIESなどのパンチングマシンとはかなり構造が違い、最近のパンチ・レーザー複合機に近い構造となっており、シャッター、スライドASSY、DU軸などタレット周辺の機構が複雑化しています。
同じ複合機でもAPELIOは、PEGAやVIPROSを基本にしていたので整備も慣れ親しんでいたのですが、EM-ZRTはなかなか複雑です。
これらの部位も初工事なので、1カ所ずつ構造を確認しながら丁寧にブロック分けして解体を進めます。
配線、配管、バルブ設置個所などもEMとは違い、ダイホルダーの構造も大きく変化しているので一苦労です。
こまめに状況を確認し、撮影し1か所ずつ解体を進めます。
タレットにしても上部にはAI機構だけでなくMPTタップが付いていたり下部タレットは完全にブラシテーブルの中に収納され、パンチ時のみシャッター機構でパンチステーションだけを開口するため、慣れ親しんだパンチングマシンの知識では解体といえど手こずります。
なんとか上下ベースASSYが見えてきました。
あとは2AIのタレット内、中間駆動、駆動部を取り外せば、上下ベースASSYを取り外せそうなところまで進みました。
充分にスペースのあるユーザー様で良かったなと思います。
2AIの解体を完了し、上下ベースASSYを取り外せました。
下部タレットは再利用のため、洗浄清掃し、バフ掛け、砥石掛けなどで綺麗に整地して精度が出るよう準備します。
今回は、弊社工場へ引き上げての組み換えではなく、上下ベースASSY交換のため、すべての作業をユーザー様工場内で実施させていただきます。
ユーザー様にはお忙しい中、ご協力いただき感謝いたします。
最後にDU軸を取り外して、解体作業は完了です。
今回は下部ベースASSYを取り外してからDU軸解体なので、取り外しやすい環境ですが、DU軸だけを交換されるサービスの方や富士宮工場の方には頭が下がる思いです。
かなりの苦心とパワーが必要だと思われます。
すべての解体作業が完了したので、本体も洗浄清掃し組付け準備に取り掛かります。
おかしいなと感じたら早めの修理を。
最近では様々な部品の入手に時間が掛かり、機械が停止して修理まで2~3月以上かかるケースも増加中です。
年々部品価格も上昇傾向にあり早めの修理をお勧めします。
㈱大阪プレスサービスでは、アマダ製板金機械の整備機販売、修理、オーバーホール、機械買取などを行っています。
まずはご相談ください。