機械商社様より弊社HPへのご相談で、ユーザー様でARIES-224AIが
画像の周辺部の不具合によりタレット回転が出来ないとのお問い合わせを頂戴しました。
画像を見る限り2AIが原点位置に無く、中間駆動クランプが退避できずこのままではタレット回転できない事が分かります。
2AI原点取りについて確認させていただきましたが、すでに動作不能に陥っているとの事。
実機確認の要請を頂戴し、日程調整の上、ユーザー様を訪問。
ユーザー様へ訪問するとすでに2AIのST(ステーション)位置ではなく
他のST位置にタレットを手動で回転された様子。
ARIES全機種でこのようなトラブルの場合、金型クラッシュやミスパンチで2AI上部ギヤが不動になったか、抜きカスが下部ギヤにはまり込んだケースが多いので、2AIカバー類を取り外してギヤ部を確認。
ギヤ位置は原点位置にあらず、任意の角度で停止してしまった様子
2AIの2STで上下ともギヤは良好に回転するため、ミスパンチや抜きカスが原因ではない模様。
タレット周辺カバーを外してタレットを剥き身状態に。
中間駆動ポイント軸を強制開放治具で開放して0度キー位置に合わそうとしましたが上下どちらかが干渉しあわない状態。
片側のSTのブレーキピンが曲がっていました。
ブレーキピンを一時撤去しても0度キー位置の修復が出来ず。
どうやら上下でギヤ位置がずれてしまった模様。
このような状況になるとドライブカバー、2AIカバーを取り外して、2AI駆動部で上下同調調整を実施するしかありません。
ドライブ側にはすぐに壁があり、なかなかに困難な状況でしたが、なんとか上下同調調整を完了。
ブレーキピンを戻し、慣らし運転を掛けて正常稼働のため、各部を再度確認。
上部ポイント軸位置が両STで若干ずれが生じていました。
経年劣化か干渉時による影響かは不明。
駆動部での同調調整とポイント軸若干のズレのため、芯確認が必要。
幸い弊社近隣のユーザー様だったので芯出し治具を持参し再訪問
薄タレARIESの整備は弊社でも5年以上実施していなかったため、治具一部に錆が発生していました。
防錆処理して大切に保管しなければと思いながら、芯確認を実施。
幸い両STともに芯ずれは起こっていないため、カバー類を戻し。
正規の状態で慣らし運転を実施。良好。
ユーザー様と機械商社様に状況を説明の上、テスト加工を実施していただきました。
打ち抜きテストは良好との事。
半ば復帰をあきらめられていたのか、『動いて良かった』と喜んでいただきお茶をごちそうになり、作業完了。
御依頼が減った機種の治具管理も大切だなと思いながら、工事完了。
御依頼ありがとうございました。
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