各種シャーリングでは経年劣化により切断寸法不良が発生します。
切断寸法不良は上下ブレード摩耗、ラム位置調整ギブスライド摩耗、B/G(バックゲージ)ストレッチ当たり面摩耗、B/Gのガタなど様々な要因で発生します。
上下ブレードによる場合はブレード研磨もしくは新刃交換
ギブスライドによる場合はギブ調整もしくはギブスライド交換
B/G(バックゲージ)ストレッチ当たり面摩耗はストレッチ研磨
B/G(バックゲージ)のガタによる場合は送りねじやガイドバー交換が
修理方法となります。
【上下刃の損耗による場合】
弊社整備販売機やアマダリバース再生機などではブレードは受入時の損耗状況により研磨もしくは新刃交換を実施しています。
納入時に4面ご使用いただける状況にしています。
※Sシャーはブレード形状が平行四辺形のため2面となります。
大きな刃欠けがある場合や基準厚みが研磨に適さない場合は新刃交換
左の画像は研磨済み上下ブレード
【ラム位置不良の場合】
ラム位置が不良の場合はギブスライド調整を実施したうえで、上下刃のクリアランス調整を実施することで本来のブレードクリアランスを復帰させます。
経年劣化によりギブスライドは摩耗・変形、ラム加工面も摩耗していきます。ラム加工面の修正は弊社工場へ搬入いただき修正するしかありませんが、ギブスライドの摩耗・変形については部品を準備して現地交換も可能です。
右はHシャーの現地交換作業ローテーション用スライドです。
ギブスライドは弊社で貼り替え研磨修正を実施して持込交換します。
【バックゲージのストレッチ当たり面摩耗・変形の場合】
弊社整備販売機やアマダリバース再生機などではストレッチは全機機械加工を実施してストレッチ(定規)の真直度を復帰させています。
上下左右方向の変形歪も修正可能です。
大きく座屈変形したストレッチは新造するしかありません。
新造にも対応しています。
完成時の切断テストで右・中・左とも許容値内に収まるよう整備
左はテーブルとストレッチの機械修正後の画像
シャーリング会社様、鋼材会社様では焼入れプレート付きストレッチを選択して新規導入される場合がありますが、ノーマル機の焼き入れプレート仕様への仕様変更も可能です。
右は機体のOH(オーバーホール)時に、焼き入れプレートを新造して仕様改造したストレッチ画像
【バックゲージ送りねじ・ガイドバーの損耗の場合】
バックゲージのストレッチを掴んで前後方向に揺らしてみてガタがある場合は送りねじやガイドバー、ギヤなどの損耗が切断不良の原因です。
埃が堆積して送りねじの砲金ナット部にガタを生じている場合もあるのでまずは送りねじを洗浄清掃し砲金ナット部をエアブローしてからガタを確認します。
洗浄清掃すると送りねじの台形ネジが見えてきます。
よく切断される寸法付近ではこの台形が摩耗により細くなり三角形の山谷形状に損耗します。
ガイドバーやギヤも偏摩耗している場合があります。
弊社整備販売機やアマダリバース再生機などではストレッチは全機機械加工を実施するためほとんどの機種でこの部位を解体して摩耗確認し状況に応じて部品交換を実施していきます。
左はストレッチ機械加工中にB/G部の損耗部品交換を実施の様子
送りねじや砲金ナットなどの部品交換を実施。
ブロックまで損耗の場合は左右送りねじASSY交換する必要があります。
ヘリカルギヤやウォーム軸も経年劣化により摩耗して、全体および左右の寸法誤差を生じるケースも増えて来ています。
左はヘリカルギヤやウォーム軸などを交換して組付け調整する際の画像
調整後はグリス封入するので、解体時はグリスまみれの個所です。
長年ご使用の機体ではヘリカルギヤはこのようにウォーム軸に干渉部する部分が摩耗して痩せて細くなります。
スラストベアリングなどもベアリングが痩せたり外輪のベアリング溝に摩耗が出来たりしていることも。
2021年度整備機の中にはギヤBOXまで損耗していた機体があり、すでにアマダ社に鋳物部品の在庫が無いことから製缶作成した初ケースが発生しました。
板金機械の普及から約50年、色々な箇所が損耗した機体が増えており修理も様々な手法を用いなければならなくなってきています。
㈱大阪プレスサービスでは、アマダ製板金機械の中古機械 買取、販売、修理、整備、仕様変更、オプション取付など様々な作業を行っています。
まずはご相談ください。